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ローカル5G ① ~ローカル5Gの基本、方式や使用周波数について~

はじめに

今回から何回かに分けてローカル5G に関するお話をしようと思います。初回ということもあり、すでに色々な場所で話し尽された感は否めませんがローカル5G の方式と使用する周波数についてと言った基本的なお話をしたいと思います。

ローカル5Gとは

ローカル5G は通信キャリアがサービス展開する 5G とは別に、利用者が構築、運用する 5Gシステムのことを言います。

特徴として構築する機器の構成を利用者が選べる自由度の高さや、閉域なローカルネットワークのため、キャリアネットワークの通信障害の影響を受けないなどがあげられます。

NSA方式とSA方式

ローカル5G の通信方式として C-Plane と言われる制御信号には LTE を U-Plane といわれるデータ信号には 5G を使用してLTE のコア装置である EPC(Evolved Packet Core)と通信する NSA(Non-Stand Alone)方式と C-Plane も U-Plane 共に 5G を使用し、5G のコア装置である 5GC と通信する SA(Stand Alone) の2つの方式があります。

なお、NSA方式では EPC を使用していることがネックとなり 5G の全ての機能を使用することはできません。例えばネットワークスライシングと言われる物理的なネットワーク上にスライスと呼ばれる論理的なネットワークを多重化させる機能には NSSF(Network Slice Selection Function)と言われるものが必要ですが、この機能は EPC には実装されてないため、 NSA構成では使用できません。

ミリ波とSub6

ローカル5G で使用される周波数としてはミリ波(n257)と呼ばれる 28.2~29.1GHz の周波数帯を使用するものと Sub6(n79)と呼ばれる 4.6~4.9GHz の周波数帯を使用するものあります。それぞれの周波数帯の特徴は以下の表に纏めている通りとなり、多数のアンテナを搭載しており、早い通信速度を実現できるが、通信エリアが限定的(狭い)で高い周波数帯を使用するため電波の直進性が強いのがミリ波。その逆で通信速度はそこまで早くないが、広い通信エリアをカバーでき、回り込みにも強いのが Sub6 となります。

通信範囲障害物の影響アンテナ数
ミリ波狭い受けやすい多い
Sub6広い受けにくい少ない
ミリ波とSub6の比較

まとめ

2019年末から免許申請の受付が始まったローカル5G ですが、免許を取得したことや構築完了したことがニュースになっているようにまだまだ普及したとは言えないのが現状と思います。今後、加速度的に普及させるにはローカル5G 導入最初のハードルになりがちな免許申請の簡略化や、現時点では決して安い買い物とは言えない、機器の価格が下がることが条件になってくるのではと思います。

今回はローカル5Gの基本のキのような部分についてお話をしましたが、次回からはもう少し踏み込んだ内容をお話したいと思います。

参考資料

第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)
https://5gmf.jp/