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今さら聞けないMVNO ~3. MVNOの今後の展望~

これまで「MVNOに必要なモノ・コト」や「MVNO事業で発生する費用」をご紹介しました。様々な届出や申請、販路の確保など他にも色々なことがMVNO事業には必要です。ブログでは紹介しきれませんので、気になる方は気軽にお問合せください。

この回は「今さら聞けないMVNO」シリーズの完結編として、当社のこれまでの経験に基づいて今後の展望を紹介します。

“今さら聞けないMVNO”シリーズ記事一覧はコチラ
  1. MVNOに必要なモノ・コト
  2. MVNO事業で発生する費用①
  3. MVNO事業で発生する費用②

MVNO≠格安SIM

まず、MVNOは必ずしも「格安」とイコールではないと当社は考えています。格安を謳うことが多くあるのは事実ですが、MVNOはこれまで様々な独創的なサービスを生み出してきました。

ただ単に安いだけでなく、多種多様なサービスを実現することがMVNOの役割だと考えます。

変わってきたMVNOの立ち位置

仮にMVNOの変遷を「黎明期」「成長期」「成熟期」の3段階に分けたとします。これまでどのような道を辿り、現在地がどのようになっているのか考えたいと思います。

黎明期(PHS~3G時代)

MVNO自体の歴史は古く、PHS→3G→4G→5Gと複数の世代に渡って続いています。2000年代後半に3Gのスマートデバイスが登場し、少しづつMVNOというワードが聞こえてくるようになりましたが、当時はまだ一般に認知されていたとは言えないと思います。

成長期(4G開始~2010年代後半)

2010年代に入るとスマートデバイスが徐々に一般的なものとなり、SNSなどコンテンツのリッチ化も進みました。これと同時に通信料(通信量)の増加が気になるようになりました。安価な通信サービスをユーザが求めたことでMVNO=格安SIMとして急激に注目を集めることになります。(当社でも多くのMVNOを支援しました)

成熟期(2020年代)

SNSや動画、ゲームなどスマートデバイスの使い方がある程度定着し、ユーザ自身が工夫して通信サービスを選択するようになりました。他にも様々な要因で激しい価格競争の時代に突入し、「格安」の印象が強いMVNOにとっては大変苦しい状況だろうと思料します。

当社が考えるMVNOの今後の展望① 規模の小さなMVNOの躍進

このシリーズの第一弾「MVNOに必要なモノ・コト」で紹介した通り、サービス内容を柔軟に設計するにはレイヤ2接続を行うことが前提になります。上述したMVNO黎明期~成長期ではレイヤ2接続を実現するために莫大な設備投資が必要でした。

特にモバイルコア設備は数百万ユーザをターゲットにした製品が主流で、小規模なMVNOには過剰な性能でした。これが徐々に仮想化され、コンテナ化され、必要最小限の規模で構築することが可能となりました。プライベートLTEやローカル5Gが注目を集めていることもあり、オープンソースソフトウェアも目覚ましい進歩を遂げています。

もう一つ、MVNOにとって最大のコストはMNOの帯域です。これについてはシリーズ第二弾「MVNO事業で発生する費用①」で紹介していますが、この約10年で費用が大きく下がっています。

必要な設備や帯域費用の低価格化が進んだことから、規模の小さなMVNOであってもレイヤ2接続は十分に利益を生む現実的な選択肢だと言えます。

小規模であっても、自社サービスの特色をより明確に打ち出したサービスが増えれば、MVNO業界だけでなく社会全体にとっても良い刺激になるものと考えます。

当社が考えるMVNOの今後の展望② 5G(SA)とBeyond 5G/6G

5G通信が可能なエリアがどんどん増えていますが、5Gの特徴として謳われている「超高速」「超低遅延・高信頼」「多数同時接続」を十分に実感するには5Gの中でもスタンドアローン(SA)と呼ばれるネットワーク構成である必要があります。

現在MVNOが提供している5G通信はノンスタンドアローン(NSA)と呼ばれるもので、ネットワーク構成は従来の4Gのまま、無線周波数だけが5Gのものです。

MVNOでもSA構成が実現できるようMNOとMVNOの間で議論が始まっており、いつかは5Gの特徴を活かしたサービスをMVNOが提供できるかもしれません。

その先にはBeyond 5G/6Gが待ちますが、5Gで培った技術が多く取り込まれるはずです。最新技術の商用化には数年の期間を要することがあるため、5Gに投資をすることはBeyond 5G/6G時代の到来に向けた投資であるとも言えるでしょう。

ローカル5Gで培われた閉域ネットワークでの活用、空中・宇宙技術との連携など、これからの通信プラットフォームは様々な応用が求められることになります。そんな時代では基地局を保有しないMVNOだからこそ、多種多様な事業者と柔軟に連携して様々なサービスを生み出すことができると考えています。

当社のこれからの役割

当社は特に通信設備の導入~保守の領域でこれまで多くのMVNOを支援してきました。これはこれからも基本的に変わりませんが、MVNO事業には設備以外にも様々なモノ・コトが必要です。

事業を開始する際の計画作成や各種調整、事業開始後の課題管理や企画立案・実行など、当社はそれぞれの事業の成功を第一に考え、あらゆる支援を提供します。

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