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【インタビュー】代表取締役 成田 翔一

今回は2024年12月に代表取締役に就任した成田にインタビューを行いました。 
今後のレンジャーの方針や仕事に対する姿勢、これまで辿ってきた経験など深堀しています。

あらゆる通信事業者の悩みを解決するネットワークインテグレーター 

– 改めてレンジャーの事業内容の紹介をお願いします 。

一言で表すとネットワークインテグレーター(NI)です。 

一般的なNIだと色々なジャンル、例えばDX、AI、IoTなど、また業種でいうと物流、小売など色々ありますが、レンジャーシステムズは通信事業に特化しており、中でもISPやMVNOなど通信サービスの課題解決が我々の事業です。 ただ単に作業を請け負う外注業者という位置づけではなく、サービスを運営する仲間として課題の発見から解決まで共に取り組みます。 

– レンジャーの強みはなんでしょうか? 

常に快適な品質でサービスを提供することが通信事業者にとっては特に重要です。また通信事業者にとっての最大コストは通信帯域です。どれだけの帯域を用意するのが適切か、いかにサービス品質を維持しつつ最大限に帯域を活用するのかが主な課題になります。 
当社は体感品質の可視化や分析、制御を得意としており、コストを抑えつつ品質を最大することが可能です。また、設備の監視やメンテナンスといった運用業務を通信事業者と同じ目線で支援しており、利用者が安心して使えるネットワークの実現と維持に努めています。監視や保守はなかなか泥臭い業務になりますが、我々はフットワーク軽く動けるのも強みだと思います。 

顧客に近く、通信業界のコアな位置にいるレンジャー 

– ご自身にとってレンジャーに入って良かったこと、印象的だったことを教えてください。 

個人の経験としてはお客様との距離が極めて近いことが良かったです。入社後すぐにMVNO事業に新規参入を検討している企業があり、初期の提案から構築、運用までを一貫してやってほしいと依頼がありました。当時24~25歳くらいで、お客様先で提案させてもらい、プロジェクトが始まる際には盛大なキックオフを開いていただきました。構築の際はデータセンタで缶詰になったりしましたが、トラブルを乗り越えてサービスインした際はお客様から「ありがとう」と感謝の言葉をいただきました。 

このような案件の一連の流れを若いうちから経験できたことは良かったです。これはやはりレンジャーだから経験できたことだと思っています。 この経験があったからこそ、これを自分の成功体験としてその後の仕事で応用を利かせることができました。 当事者意識を持ち、なんでもやってみたいという人には同様のチャンスがあると思います。 

会社規模も30人前後で、大手の企業でよくある縦割りで役割を決めるという体制ではなく、自分ひとりで幅広く、フットワーク軽くできる部分は自分に合っていました。 かつ、レンジャーは通信業界の中でもかなりコアな位置でまさに「少数精鋭」といった感じで、業界内の中核的な企業や人物との接点が豊富にある点も大きいです。 

– ご自身にとってのターニングポイントがあれば教えてください

入社当初はCCIEを取って職人的なエンジニアでやっていくんだ!と考えていましたが、客先での提案や導入など一連のプロセスを経験し、お客様と近い位置で仕事することで、相手の立場をちゃんと見て対話するエンジニアを目指そうと、仕事のスタイルが変わっていきました。 

その後はリーダー、課長、室長、部長、執行役員と役職が変わるに連れ数字を見るようになり、部長になったタイミングで損益計算書やバランスシートなども見るようになり、物の見方が変わっていきました。目の前にある案件だけではなく、もっと広く、長い目線で会社の利益構造を考えるようになりました。 

ネットワークエンジニアを志したのは高校生の頃 

– 遡って、レンジャーへの入社経緯を教えてください。 

高校在学中に日本のインターネットの成り立ちについて学ぶ機会があり、ネットワークエンジニアを志したのが始まりでした。即戦力人材を目指し専門学校へ進学し、在学中にCisco CCNP、基本情報、LPICなどを取得しました。その結果、新卒1年目から狙い通りバリバリ働くことができ、充実した日々を送っていました。しかし半年くらい経った頃に物足りなさを感じ始め、もっとチャレンジしたいと考えるようになりました。

そこで、若気の至りと言いますかベンチャーに移ることを決め、社会人2年目でレンジャーに入社したのが始まりです。 

エンジニアから経営者へ 

– レンジャーへの入社からこれまでの経緯を教えてください。 

入社後は様々な案件に携わりつつ、5G事業立ち上げなど色々と経験しながらテンポよく職位が上がっていき、入社から8年が経った2021年には執行役員に就任しました。ただ実はここで一度レンジャーを辞めています。 

執行役員 事業部長という役職が付いたことで、エンジニアとして第一線で活躍するよりも数字の管理を求められるようになりました。 当時まだ30歳でエンジニアとして活躍したいという気持ちがあった中、事業のまとめ役を求められることとのギャップに苦しんでいました。 丁度そのタイミングで他の企業からオファーをいただいたりもして、転職という方向に気持ちが傾いていき、ある通信事業者(MNO)に籍を移す決断をしました。 

– なぜレンジャーへ戻る決断に至ったかを教えてください。 

通信事業者では相互接続の調整業務を主とする渉外部の部長を任されていました。 通信事業者の内部の仕事に就くのはとてもワクワクしましたし、色々と新しい発見、最新技術に携わっている感覚があり刺激的な日々を送っていました。ただ、それと同時に何か違和感も覚えていました。 

レンジャーでは顧客企業のために、相手の立場に立って仕事をすることが普通でしたが、移籍先では自社の仕事に終始していたことが違和感の正体だと分かりました。 自社利益を中心にして働くのではなく、インテグレーターとして色々な事業者のために仕事をする立ち位置の方が自分に合っていると気づき、レンジャーに戻ることを決めました。

またその際に気づいたのは、エンジニアであることは手段の一つでしかないということでした。エンジニアとして自分がどうしたいか、ではなく、自分が本当にやりたい事は「インテグレーターとして色々な事業者へ貢献したい」ということだと気づきました。 

そしてこれが目指せるのはレンジャーだろうと。 

前代表の相原に自分の気持ちを打ち明けたところ、「であれば、それを突き詰めよう」と賛同をもらい、業界発展・事業者への貢献に注力するために、取締役としてレンジャーへ戻ることになりました。 その後、事業や組織の基礎を再構築した上で、然るべきタイミングで代表を交代する方針とし、1年程の準備期間を経て2024年12月に代表取締役に就任した次第です。 

「少数精鋭の組織力強化」「超筋肉質な経営基盤の構築」「業界発展への貢献」を3本柱に 

– これからどのような企業を目指していくのか抱負を聞かせてください。

まずキーワードとして3つあります。「少数精鋭の組織力強化」「超筋肉質な経営基盤の構築」「業界発展への貢献」です。 

まず組織力について、社員を100人、200人と増やすつもりは今のところありません。多くても50人まで。引き続き少数精鋭で一人一人が色々な業務をこなしながら、顧客や業界が抱える課題に対してフットワーク軽く動ける組織をしっかり作っていきたいです。 オペレータとベンダーという垣根を越えて、通信事業の運営に必要な業務の一切を任せてもらえる。そんな精鋭集団を作りたいと考えています。 

経営基盤についてはまず最小コスト、最大利益の徹底です。勘違いを避けるために申しますが、売上を追求するという意味ではありません。我々の売上は全て、顧客である通信事業者の利益から出ています。これは我々が顧客の利益に貢献した結果頂けるものであり、我々の意思で操作できることではありません。利益を最大化するためには我々のコストを最小限にすることが第一と考えます。 
良い仕事をするために豪華なオフィスは不要ですし、最新鋭の設備を揃える必要もありません。販管費は極限まで削り、その分人件費には最大限還元し高収入なエンジニアが多数在籍しても利益が最大化する、そんな超筋肉質な経営基盤を構築します。 

業界発展への貢献については、まず「人材の確保」と「供給の安定」を図ることがインテグレーターに求められる役割と考えています。かつての私のように若者が通信業界を志したいと思えるような情報を発信すること。会社経営のステークホルダーを絞り、顧客・社員・パートナーを第一にした経営を安定維持することが、インテグレーターとしての業界貢献に繋がると考えています。 

それぞれが最大パフォーマンスを発揮できる環境づくり

– どのような働く環境を目指していますか? 

働く環境というと、「完全出社かフルリモートか」という話題になりがちですが、我々のように少数精鋭でやっていこうという企業では、一律で「働き方はこうあるべき」と決めてしまうのは合わないと考えています。 

顧客やチーム内の意思疎通ができていて、やるべきことに打ち込めるのであれば出社でもリモートでも構いません。また、能力はあるのにフルタイムで働けずに埋もれてしまっている方にも活躍いただけるような環境づくりに取り組みます。様々な働き方が混在する中で、それぞれがパフォーマンスを最大限発揮できるよう、これからも工夫していきます。

その一環として、社員発信型の企画を推進しています。せっかく同じ職場で仕事をしているのだから、業務上の繋がりだけではなく、お互いに普段できない体験や経験を共有する場、コミュニティとして会社を使って欲しいと思っています。コミュニケーションの壁が極力生まれないような、風通しが良い組織でありたいです。 

– レンジャーはどう変化していますか?

私が入社した2013年当時は社員数が10人以下でした。人が増えるにつれ徐々に組織としてのガバナンスが取れるようになっていき、 2015年頃には体制やチームを分けたり、役割を分けたりして部長や課長といった役職者が増えた時期もありましたが、このような体制はレンジャーのスタイルに合わないことが顕著となり、組織をシンプルに戻そうという流れになっていきました。コロナ期間でなかなか会えないという状況を越えて、現在はシンプルな組織で安定しているのかなと思います。 

当事者意識が何よりも重要 

– レンジャーの求める人材について教えてください 。

基本的にはネットワークエンジニアの層を厚くしていきたいです。 我々のような会社のエンジニア募集と聞くと、ハードルが高いと思われるかもしれませんが、そんなことは全くありません。 勿論、経験や知識が豊富でそれがマッチするのがベストですが、今までやってきた仕事のスタイルが我々と合わなかったり、これまでの経験がプライドとして新しい事の吸収を妨げてしまう場合もあります。 

スキルに自信がなく、あまり業務経験が無いという方も大歓迎です。その方が吸収する力があると思っています。 

あとは他人任せにしない人、当事者意識を持てる人ですね。先ほどからフットワーク軽く、顧客の立場に立ってという話しをしていますが、多くの方は当事者意識を持っているつもりでも無意識に自分の守備範囲を線引きしています。自分の守備範囲や役割に制限をかけるのではなく、自ら勇気を持って未経験の領域に踏み出せる人が増えると嬉しいです。

– 質問しやすい環境はありますか?

分からない事は勿論、先輩へ質問してください。先ほどのコミュニケーションの話でもあったように、業務だけでなく会社をコミュニティと捉え、交流を図っていくための取り組みも進んでいます。 これらの取組みに参加していくことで、気軽に相談できる関係が築けると思っています。 

– 異業種からの転職についてどう思われますか? 

異業種からの転職も歓迎しています。先ほどから述べている通り、経験や知識よりも当事者意識を重視しています。現社員も異業種出身が多いですよ。 

– 仕事をする上で大事にしていることは何ですか? 

フットワーク軽くあることが一つ。もう一つは勝手な思い込みをせず、顧客・パートナーが何を思っているのか、何を求めているのか、これから先どうしたいのかを読み解いて最適な提案をし、それが形作られるまでしっかり伴走していくことです。 

 このスタイルは仕事の基本であり、今後も変わりません。

– 採用情報の発信源について詳しく教えてください。

採用についてはホームページの採用ページに募集要項を記載してます。 
またブログでも会社の事業内容やメンバー紹介、企業文化などの情報を発信しているので、採用ページと併せて見ていただきたいです。 

今後はインターンシップや会社説明会などのイベントも実施を検討していますので、ホームページ・ブログの最新情報を追っていただければと思います。 

先ほどからお伝えしていますが、異業種だから、経験が浅いから、と思わずに、カジュアル面談からでも良いのでぜひ応募してみてください。 

– これからIT業界を目指したい、スキルアップしたい人へのアドバイス

show intというYoutubueチャネルの視聴をお勧めします。 

社会全体として若手不足・人材不足と言われていますが、通信業界においても顕著です。通信の自由化から日本のインターネットが始まったのが1980年代。この時代に現役で活躍されていた人がまだ業界の最前線にいます。つまり60代後半の方から70歳を超えた方までもが現在も業界をリードしています。 

そんな中、「バトンタッチする人がいない」というのを皆さん共通の課題として持っています。 

show intの動画はインターネットの基本から、どんなプレイヤーがいるのか、エンジニアとして働くとはどういうことか、など色々な情報を発信しているので、特に若手や学生の方にお勧めです。 

あとは先輩/OB/OGへ話を聞きに行ったり、エンジニアが集まるJANOGなどのコミュニティ活動に参加するのも良いですね。 現場で働いている人と話をするとことで具体的なイメージが湧いてくると思います。  

業界への貢献・コミュニティの中心を目指して 

JANOG53 Meeting in博多にて登壇
JAIPAの集いin盛岡にて登壇

– 社外との交流活動を積極的に実施していますが、どのような活動をしているのか教えてください。 

我々の仕事は通信事業者が得た売上から還元してもらうことで成立しています。つまりお客様が成功してこそ我々の利益になります。そのためには業界自体が盛り上がらないといけないと考えています。 自分たちが稼ぎたいからお客さんに「もっと頑張って、もっとユーザー数増やして」というのは言語道断。業界が盛り上がり、ユーザー数が増え、最終的に我々の利益として還元してもらえる流れをつくる必要があると思っています。

ではどうやって業界を盛り上げるのか。まず一つは業界団体・JAIPA(日本インターネットプロバイダー協会)に加入して情報発信やイベント運営を中心に参加しています。我々のようなインテグレーターの視点と通信事業者の視点での意見交換ができ、面白いアイディアが生まれたりしています。 

他には情報交換、情報発信が盛んなJANOG(JApan Network Operators’ Group)にも参加しています。

エンジニアというのは社内で仕事をしているだけでは外部から情報が入ってこないので基本孤独です。自社のサービスを運用するエンジニアは自社設備には詳しくなりますが、それ以外には疎かったりもします。JANOGのような場で情報交換ができると今のトレンドに気づけたりしますし、エンジニアがお互いの目標を高めあいながらサービスの質を上げていけるのではと思っています。 
現在は限られたメンバーで参加していますが、社員の半数くらいで参加しても良いのではと思っているくらい、コミュニティへの参加は重要だと感じています。 

また先ほど紹介したshow intもこれから業界を目指す際の教科書替わりとして非常に有用なコンテンツなので、引き続きスポンサーを続けたいと思っています。

– ご自身のJANOG参加経験から得た気づきなどあれば教えてください 。

私はJANOG37が初参加でした。この時、初参加・初スタッフ・初登壇と初めてだらけでしたが、第一印象としてすごく暖かいなと思いました。 何も勝手が分からない状態でしたが、登壇にあたって当時の実行委員の方々から色々とアドバイスをもらい、人生初めてのパネルディスカッションが実現し、すごく良い経験ができました。 

当時は「社内・顧客・パートナー」しか仕事で関わる人がいませんでしたが、同じ業界で働く様々な人を知ることができ、「もっと業界を面白くできるのでは、もっと貢献できることがあるのでは」と思えました。 先ほどから度々登場する「業界貢献」という言葉はJANOGへの参加がきっかけで生まれた気持ちですね。 

– 成田さんが登壇した際の資料などはまだ閲覧可能ですか?

今でも私の発表した資料はウェブで確認できます。 当時MVNOをテーマにした発表がほとんどなく、MVNOネタを持ち込んだのが割と最初の方で「レイヤー2接続とは」という基本的なところを解説しています。約款や技術的条件集より分かり易いと、いまだに色々な方から感想をいただきます。5Gの解説資料なんかもあるので興味があればぜひ読んでみてください。

あらゆる通信事業者をサポートできるレンジャーを目指して

– 最後に会社としての未来・夢を聞かせてください 。

現在社員数24名(2025年2月時点)で、まだまだ成長中です。「知る人ぞ知る」というポジションにありますが、今後は「業界貢献」を強く全面に出し、全国あらゆる通信事業者に対して何らかの形で役に立てる会社を目指します。

特にこの業界はトレンドの移り変わりが激しいので、将来の具体的な事業内容まで明言できませんが、色々なパートナー・顧客と共に、どんな変化が起きても互いに協力して乗り越えていけるような信頼関係を、我々が中心となって築いていきたいです。