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次世代ネットワークシステム運用監視プラットフォームへの取り組み

技術進化・インターネットの発展とともにネットワークおよびネットワークを含むシステム全般の構造は複雑化しており、それらに対する監視・運用の要件も多様化しています。更なるネットワーク、システムの複雑化に備えた、レンジャーシステムズのSelectorAI社のAI Opsを活用した次世代運用監視プラットフォームへの取組みをご紹介します。

AI Opsソリューションとは?

AI Opsとは、人工知能(AI)や機械学習(ML)を活用してIT運用を自動化・効率化・高度化するためのソリューションです。膨大な種々のデータをリアルタイムで分析・予測し、運用課題や障害発生時に迅速かつ効果的な対応を可能にします。

ネットワーク運用にAI Opsが求められる背景
(統合プラットフォームが必要な背景)

近年ネットワークシステムの環境は急速に複雑化しています。ノードの増加によるアラート、ログ、メトリクスの増加に対応するには従来の監視手法では対応が難しく、人手による手動監視・運用は限界を迎えています。また特に日本ではIT運用チーム(ネットワークオペレーションセンター)の人的リソース不足が問題であり、限られた人的リソースで運用を効率化していくニーズが高まっています。

さらにクラウドサービス、仮想化、コンテナ化、マイクロサービスなど新技術の普及に伴い、障害検知の難易度が上昇しています。問題発生時には迅速な解決を求められるプレッシャーが高まる一方で、これまでのレイヤー(ネットワーク、サーバー、アプリ)ごとの監視・運用手法では、担当部署を超えた(跨る)問題の解決に多くの時間を要してしまいます。

複雑化、多層化するインフラの上でアプリケーションサービスの可用性が重要となっており、従来のレイヤーを超えて問題を解決できる統合プラットフォームが必要になってきています。

統合プラットフォームの中でネットワークにAI Opsが求められる背景

ネットワークシステムはシステムとしてはアプリケーション、インフラ(サーバ、仮想マシン)の下位レイヤーに位置するため、ネットワークシステムの問題は必ず上位レイヤーに影響を与えてしまう特性があります。

このため特にネットワークにAI Opsを利用することで期待される要素に以下の点が挙げられます。

  • ダウンタイムの最小化(MTTD:検知までの時間、MTTI:分析までの時間、MTTR:問題解決までの時間)
  • 上位レイヤーへの問題影響範囲の迅速な把握
  • ネットワークシステムのレジリエンス(復元力・回復力)の向上
  • ユーザーエクスペリエンスの更なる向上

ネットワークへのAI Ops導入で期待される効果

ネットワーク運用にAI Opsを導入することで、以下のような効果が期待できます。

  • ダウンタイムの短縮による、経済損失の最小化、収益の最大化
  • ネットワークシステムの運用コスト削減(残業代、アウトソース費用、チケット削減)
  • 運用担当者の業務負荷軽減(残業時間削減、心理的負担軽減)
  • 運用担当者のスキルサポート、学習コスト軽減
  • 予測的な運用管理による安定性・信頼性の向上(故障予測にもとづく、対策立案・実施)

Selector AI社のAI Opsソリューションの特長

Selector AI社のAI Opsソリューションは以下のような特長を備えています。

異常検知と根本原因の分析

リアルタイムで異常を検知し、アラートの関連性や根本原因を特定します。数多く発生するアラートから本当に対処をしなければいけないアラートを抽出してインシデント化することで、アラート対応業務の負荷を軽減します(抽出方法において米国特許取得済み)。

自動化ツールとの連携による問題解決支援

根本原因分析に基づいて自動化ツールや構成管理ツールをキックすることができ、修復候補を提案します。

データソースの多様性

様々なサイロ化されたデータをデータソースとして利用することができ、データからインサイトを得ることで運用効率を高め、コスト削減を実現します。

将来の予測とシミュレーション

デジタルツインを設けることで「What-If」シナリオ(将来状況のシミュレーション)を通じ、キャパシティやリスクの予測、リソースの適切な配分を支援します。

自然言語インターフェース

自然言語を使った直感的な操作で必要な情報や分析結果を容易に取得できます。お客様毎にネットワークランゲージモデルを追加学習させることができるため、お客様固有の情報を認識した上で質問をし、返答を得ることができます(お客様だけのエージェントを作成することができます)。

レンジャーシステムズとSelector AIの取り組みについて

レンジャーシステムズは、創業以来、通信事業者様のシステム構築から運用までを一貫して支援してきました。私たちはSelector AI社のAI Opsソリューションを核に、「人 x AI」の効率的な運用体制を構築し、通信事業者様のサービス安定稼働を継続的に支援してまいります。

例えばこれまで提供してきたDPI(Deep Packet Inspection)によるアプリケーションレイヤーの可視化や、SNMPによるノード監視のデータをSelector AIのプラットフォームに統合することで、一元的な監視や相関分析、予測的運用を可能にします。これにより、人の目では把握困難な問題までを迅速かつ正確に検知・対処できるようになります。

ただAIを導入すればすぐに全てが自動化できるわけではありません。導入後も継続的に機械学習(ML)を活用し、弊社メンバーが手厚くサポートしながら、お客様に最適なネットワーク監視システムを構築してまいります。

Selector AI社の会社概要

Selector AI社は2019年に設立され、カリフォルニア州サンタクララに本社を置く非上場企業です。設立以来、同社はネットワークAI Opsのリーディングカンパニーとして、IT運用コストの削減と効率性の向上を目指しています。 創業者は元Juniper Networksの幹部であるKannan KothandaramanとNitin Kumarです。彼らは、ネットワーク、機械学習(ML)、LLMの専門家から成るチームを率いています。 

現在、主にAI Opsソフトウェアの開発に特化し、サービスとして提供することにより、顧客企業のネットワーク運用の効率化を図り、コスト削減、収益最大化に貢献しています。 

2023年にGartnerのCool Vendorに選出され、業界での革新性と影響力が高く評価されています。この評価は、同社の技術が市場で高く評価されていることを示しています。 

Selector AI社ホームページ: https://www.selector.ai/