はじめに
5G に限らず、モバイル通信を行うには欠かすことの出来ない電波。
今回はこちらについてお話したいと思います。
電波とは
そもそも電波とは何かというと、電波は電磁波の一種です。
電磁波の中でも、周波数が 3THz 以下の電磁波のことを言います。
このように説明すると、じゃあ周波数とは?となると思いますので
周波数についてと周波数の説明に必須となる波長についても合わせて次でお話します。
波長と周波数
波長とは電波中の1つの波(振幅)のことを言います。
周波数とは 1秒間に何回波が発生するかを示したものでヘルツ(Hz)という単位で表現します。
1秒間に 10回波が発生する電波があれば周波数は 10Hz ということになります。
ミリ波が Sub6 より速い理由
第1回の記事(https://www.ranger-systems.co.jp/ranger-blog/?p=224)でも
ミリ波と Sub6 の比較については簡単にお話しましたが、その時に通信速度については
触れていなかったので補足します。
ローカル5G で使用されるミリ波(28.2~29.1GHz)と Sub6(4.6~4.9GHz)の比較では
当然ならがミリ波の方が周波数が高いです。
周波数が高いということは1秒間に発生する波の数も多くなり、ここでいう波は
無線リソースと置き換えることができるので、ミリ波の方が多くの無線リソースを扱えるため、
通信速度が速くなります。
ミリ波はミリ波ではない(2021年時点でのはなし)
いったい何を言っているのか?となると思いますが、
少なくともこの記事を投稿した時点では事実です。
下の図が、電波が周波数ごとに何と言われるかをまとめたものです。
ローカル5G で使用される周波数で最も高いのは 29.1GHz なので区分としては
マイクロ波と呼ばれています。厳密には 30GHz ~ 300GHz の電波をミリ波といいます。
では、なぜ 30GHz に満たない電波をミリ波と言っているのかというと何の根拠もない推測ですが、
使用されている周波数が 30GHz に近いのとそのうち 30GHz 以上の周波数もローカル5G 用に割り当て
られるだろういう期待も込めて言っているのではと思っています。
このあたりのニュアンスは Sub6 に近いノリなのかもしれませんね。
(Sub6 も現時点の割り当ては 4.6~4.9GHz なので厳密には Sub5 ですよね)
電波は合成(加減算)可能
電波は合成することが可能です。合成の際に同じ波長の電波で合成すると
より強い電波となります。逆に波長がことなる電波で合成すると弱い電波となります。
前者の特性を利用した例がビームフォーミングと呼ばれる技術で同じ波長の周波数を
合成することで電波をより遠くに飛ばしています。
後者の特性を利用した例は電波でなく音波の話になりますが、ヘッドホンなどで使われている
ノイズキャンセリングです。消したい雑音と逆の波長の音波を合成することで
雑音を消去しています。
おわりに
今回は電波に関するお話をしました。電波は目に見えないものなので(専用の機器を使用すれば数値やグラフ化はできますが)体感として理解するのは難しいと思います。今回の記事がみなさんの理解の助けに少しでもなればと思います。